春は名のみの風の寒さや。谷の鶯歌は思えど今日も昨日も雪の空。仲々暖かくならない。今朝も-2℃。それでもとても良く晴れて朝陽に照らされるとぐっと暖かくなった。我家の庭は真青な空のキャンバスにくっきりとまだ咲き始めの花が融け込んでいる。待ちにまった春がようやく来たのだ。節分を過ぎて少しずつ日も長くなり、小春日和あり、雪まじりの北風あり、勿体ぶり乍らも春がやって来た。
もうすぐ道端に姫踊子草が舞い、たんぽぽが黄色い花をつけ、水たまりに蛙が卵を生み、小鳥の鳴き合う中を歩いて工場へ通う大好きな希望の春が来る。わくわくし乍ら待っている。
かしもむら なかしまのりお