我家の庭に夏が来た。真青な空のキャンバスにつつじたちの絵を描いてみた。無数のりんごが実を付けたような紅どうだん。たくさんの風鈴がぶら下がったような更紗どうだん。純白の大柄な花がとても清々しい白つつじ。燃え立つように大きな花が眩しいれんげつつじ。赤い火の玉のようにどんと座って我家の庭のあるじのつつじ。寒くて長い冬を耐えてたえてようやく暖かくなるのを待って蕾をふくらませ、どんと暖かくなった今日咲き誇っている。
今のためにずっと貯えてきたものを一気にほとばしらせているこの花達を愛おしく思えて仕方がない。忙しい毎日の中でこの時をじっくりとしっかりと感じている。
かしもむら なかしまのりお