




加子母小学校の卒業式をすませて家に帰ると、春の陽を一杯浴びて庭の花達が咲き始めている。奥山には昨夜の雪が白く輝き、北風も冷たいが、強い日差しの庭を探すとあちこちの陽だまりに思いおもいに花を開き始めている。
何と言っても野生の姫踊子草と犬ふぐり。田圃の土手の法面に、直射日光を一杯浴び乍ら、懐かしい、いとおしい花を咲かせ始めている。
枯草に膝をついて顔を地面に近づけて土の香りを嗅ぎ乍ら写真を撮ると、体の芯から春の喜びが湧き出してくる。
待ってまって待ちこがれていた春がやっと来たと嬉しくなった。
かしもむら なかしまのりお