やっと秋らしい、からっとした、晴れた日が来たのでプレカット工場へ歩いて行った。
朝陽の出る前に山には霧(雲)が棚引いてとても幻想的だ。どんどん歩いてゆくと、明るくなってゆく空の青さと、鱗雲と、山にへばりつく雲とが、えも言われぬ景色を作り出す。
工場からの帰りは登り坂。ゆっくり歩き乍ら草叢の中を良く探すと、いろいろな小さな花が咲いている。
水引きは紅い小さなちいさな花を、猪独活(ししうど)はパッと開いた花火のような花を、露草はきれいな青の花を、秋の野芥子(のげし)は野菊のような花を、それぞれ控え目に咲いている。とても愛(いと)おしい。あちこち寄って久しぶりにいろいろな人にお会いして、ゆっくり話して、ゆっくり写真を撮って、1時間余り掛けて家に帰った。
我家の庭も秋が一満で青い空をキャンバスに素適な写真を撮った。
久しぶりにとても良い日だった。
かしもむら なかしま のりお