此の秋は天候が悪くて野菜の出来が今一(いまいち)でした。それでも茂さんと武一おじさんから貰ったりして我家の縁側は満席になりました。初冬の日差しを一杯浴びてゆっくりと日向ぼっこさせてから、漬物部屋で切って幾つもの桶に漬け込みます。
昔は近所の女)衆(おんなしゅう)が集って清水の湧き出る所でわいわいがやがややり乍ら漬物洗いするのが暮れの行事だったのですが。味噌と溜(たま)りの仕込みも始っています。
ここ数年暖かい冬が続きましたが、今年は11月から寒くてもう-5℃を越す日がありました。久しぶりの寒い冬になりそうです。
厚い氷の張った桶に穴を空け、手を突っ込んで漬物を取り出します。痛くて手がちぎれそうな昔の寒い冬が来そうです。
桶から出したての切漬を少し溜(たま)りを付けて、炊きたてのご飯と食べる。これが美味くて何杯でもおかわり出来ます。ストーブの上で焼いて食べると、これも又お茶の友に最適です。すき焼き鍋で砂糖と油揚げとお酒で煮て食べる。切漬のすき焼きは一週間でも続けて食べれます。フライパンで油と炒めるのも又美味い。汁物が無い時はお椀に入れて熱いお湯を注いで汁にするのも乙(おつ)なものです。
いよいよ加子母の冬が始まりました。
かしもむら なかしまのりお