何年かぶりにお正月の左義長を見に行った。子供の頃は旧正月の15日に野原で子供達だけでもっと大きな左義長を作った。門松や締め縄や、書き初めを集めて来て、それだけでは足らないので河原の松の木を伐って来て縄でぐるぐる巻きにした。立てた背の高い竹は縄で四方に引っ張り万国旗を飾った。今は大人達が殆ど作ってしまう。それでも子供達も寒い中を元気に各家から門松を集めて手伝う。正午丁度に火をつけた。北風に煽られてすごい勢いで燃える。遠くに居ても顔がほてる。竹槍の先に、お餅を差して焼く。みかんやりんごを焼く子もいる。
1月9日(月) 左義長(さぎちょう)
左義長が芯まで燃えて来て竹がぼんぼん勢い良く爆ぜる。ついに立てた竹が倒れた。熾(おき)をスコップですくって各々コンロに入れて皆んなで囲んで昼食だ。子供達は大はしゃぎで焼いたり、食べたりして、いかにも加子母の小郷の雰囲気だ。大人達も青竹で酒を沸かして調子が出る。北風の吹く寒い日だが良く晴れて左義長日和だ。50年も60年もタイムスリップしてとても懐かしい日だった。
かしもむら なかしまのりお